芝生(TM9)の庭を維持して約10年の経験から【芝生の与える有機肥料と化成肥料の違いと使い分け方】についてお伝え。
肥料選びの参考にしてみてください!
目次
芝生の肥料選び【有機肥料と化成肥料の違いと使い分け方】
芝生に限らず家庭菜園や花壇の花などでも肥料を与えるシーンは定期的に訪れることでしょう。
植物(芝生)の生長をサポートするのに肥料は欠かせません。
有機肥料と化成肥料の違いは次の通りです。
- 有機肥料:「土の中に与える肥料」
- 化成肥料:「芝生(植物)に与える肥料」
有機肥料は主に芝生の下の土壌に養分を与えることで徐々に芝の緑化を高めていくのに対し、化成肥料は芝生の生長に必要な養分を芝の葉へ直接届けるイメージです。
有機肥料の特徴と芝生への使い方
有機肥料のメリット
- 「土壌に栄養素を与える肥料」
- 「遅効性のものが多く持続効果が比較的長い」
- 「土壌が改良される効果が期待できる」
有機肥料のデメリット
- 「即効性は期待できない」
- 「匂いが強い(気になる)ものが多い」
- 「手間がかかる(芝の隙間に落とし込む)」
- 「化成肥料よりも値段が高め」
硬く締まった土壌では有機肥料に含まれる必要な養分をまんべんなく地中へと送り届けることが難しくなります。そのため春の更新作業の時期に合わせてコアリング後の目砂に有機肥料を混ぜ合わせて散布する使い方がベストだと実感しています。
芝生の生育期
- 暖地型:3月〜11月ごろ
- 寒地型:3月〜6月ごろ・9月〜11月ごろ
芝生の生育期に合わせて肥料を与えるのが鉄板ですが、気温の高くなる真夏の時期は肥料散布は控えておくのが間違いありません。
- 「肥料焼けの心配がある」
- 「芝が乾燥しやすい」
- 「体力的にきつい・・・」など
畑や花壇のように土を耕すことができないため定期的に土の中に芝生の生長に必要な養分を届け、元気になった土壌から芝生へ栄養素が行き渡るイメージとなります。
- 「芝の葉が細くなった気がする」
- 「芝の色が薄いと感じる」
- 「密度が物足りない(土が見える)・・・」など
ローンパンチを使って芝生に穴を開ける(コアリング)作業後に、穴を埋め戻す目砂に有機肥料を混ぜ込むのがおすすめの使い方です。
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化成肥料の特徴と使い方
化成肥料のメリット
- 「即効性が期待できる」
- 「匂いは感じない」
- 「比較的安価なものが多い」
- 「散布するだけなので手間がかからない」
化成肥料のデメリット
- 「持続効果が短い」
- 「有機肥料のような土壌改良効果はない」
化成肥料の特徴は水に溶け込むことで芝生(植物)に直接栄養素を届けるタイプの肥料です。そのため有機肥料とは違い化成肥料の多くは土壌に栄養素は行き届きにくいですが即効性が期待できる特徴があります。
肥料に限らず目土や目砂を散布した後は、芝の葉の隙間に落とし込むのがベストです。芝の葉が隠れてしまっていると肥料やけの原因となるためです。近所のホームセンターで購入したデッキブラシを使っていますが、均等かつ容易に芝の隙間に落とせるのでおすすめです。竹ぼうきなどでも代用可能です。
目にみえる効果の違い
- 有機肥料:「即効性はないが持続性が期待できる」
- 化成肥料:「即効性はあるが持続性は期待できない」
また有機肥料と同様に気温の上がる真夏の時期は避けて春もしくは秋に散布したいところです。
有機肥料 | 化成肥料 | |
特徴 | 土の中への栄養 | 芝生への栄養 |
扱いやすさ | △ | ⚪︎ |
手間 | ⚪︎ | ◎ |
匂い | ある | ない |
即効性 | 2〜3週間ほど | 2〜3日ほど |
持続性 | ◎ | △ |
◎=good/⚪︎=まぁまぁ/△=う〜ん
※実際に使って感じた実感値でお伝えしています。あくまで目安程度に参考にしてみてください。
【参考目安】芝生に与える肥料の使い分け
芝生(TM9)の庭にDIYして約10年ほど維持している経験談から芝生に散布している肥料や資材をご紹介。地域による違いや芝生環境によるがあるためあくまで参考目安程度にお考えください。
- 3月:ブレンドカルスを散布・カルスNC-R/硫安/目砂
- 5月:化成肥料(固形タイプ)
- 10月:有機肥料(固形タイプ)
春の生育期に合わせて土壌をほぐして芝生の生長に必要な養分を土の中まで届けやすくするためにカルスNC-R(土壌改良剤)を使っています。
冬場になると芝生の色は茶色く変色する休眠期に突入、名前の通り生長を止めた芝生が休憩期間に入る時期です。この休眠期に肥料は必要ありません。
暖かくなる春先(生育期)にかけて肥料を含めて芝生の更新作業を進めていきます。地域による違いはあるものの目安としては桜が咲き始める頃に更新作業を進めていくのがベストでしょう。
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肥料は均等にまくことを心がけよう!
有機肥料でも化成肥料でも芝生全体に均等に撒くために肥料散布器を使って、目砂に肥料を混ぜれば1度に散布が終わるのでおすすめの手入れ道具の一つです。
肥料を撒く際に、部分的に偏ってしまうと”色むら”の原因になるので注意しましょう。
扱いやすさの面から化成肥料は初心者向けの肥料といえます。ただし、化成肥料だけを長く使い続けていると本来土壌が持っている養分が欠乏していることに気づきにくくなるため、土壌に養分を与える有機肥料も欲しいところです。
土壌の改善効果も期待できる「スーパーグリーンフード」や「芝生の肥料(FIELDWOODS)」は実際に使ってみましたが、気になる匂いの点を除けば芝生で活躍する万能な肥料だと実感。ご近所さんが近い場合は極力風の弱い日を選んで散布するのがベストです。
「スーパーグリーンフード」
- 芝生の病気(ラージパッチ・ブラウンパッチ)対策に効果的
- 土壌の改善効果が期待できる
独特な匂いがある(個人差あり)ので風の強い日の散布は控えておくのがベスト
- 参考価格:5.200円(20kg)
「芝生の肥料(FIELDWOODS)」
- 有機肥料と化成肥料の混合タイプ
- 8-8-8(N/P/K)
- 土壌の改善効果が期待できる
独特な匂いがある(個人差あり)ので風の強い日の散布は控えておくのがベスト
- 参考価格:2.200円(5kg)
肥料の与え過ぎはNG【肥料やけに注意!】
肥料の種類に関わらず肥料の与え過ぎは”肥料やけ”を起こす心配があります。
散布した肥料によって芝生の葉が埋もれてしまった状態では光合成ができず、芝生の生長に影響が出るためNGです。芝の隙間に落とし込むイメージを持っておきましょう。
目砂や目土を使って芝生を平らにする(デコボコを直す)際も同様に芝の葉が隠れてしまわないように注意が必要です。
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芝生の緑化を促す肥料成分
芝生の生長(緑化)に欠かせない主要成分は「窒素・リン酸・カリウム」です。肥料の成分表示では「N・P・K」と表記されていることも多く、窒素とリン酸、カリウムの配合割合が示されています。
「10-10-10」と書かれていたら、窒素が10%・リン酸10%・カリウム10%が含まれていることになります。
多量要素
- 窒素(N):葉や茎の生長
- リン酸(P):根の生長
- カリウム(K):病気や寒さへの抵抗力
窒素・リン酸・カリウムは”多量要素”と呼ばれる植物(芝生)の生長に欠かせない栄養素ですが、この多量要素以外にも”中量要素”と呼ばれるカルシウム・マグネシウム・硫黄などが挙げられます。
まとめ
芝生で使える有機肥料と化成肥料の違いと特徴は次の通りです。
有機肥料の特徴
- 「土の中に与える肥料」
- 「即効性はないが持続性が期待できる」
化成肥料の特徴
- 「芝生(植物)に与える肥料」
- 「即効性はあるが持続性は期待できない」
芝生の緑化を促すのに肥料は欠かせない資材の一つです。芝刈り機で刈り込んだ後に肥料を与えれば芝の葉の隙間に入りやすくなります。
肥料選びの参考にしてみてください!